劇的な8連勝の土台を整えたのは、鉄壁の外野陣だ。阪神森下翔太外野手(22)と近本光司外野手(28)が同点で迎えた8回、文句なしのキャッチングで無失点リレーを演出した。

先に美技で魅せたのは右翼森下だ。無死一塁、1番塩見の後方への大飛球を全速力で追いかけ、フェンスにぶつかりながらジャンピングキャッチに成功した。

「もともと長打警戒だったけど、結構ライナー性の打球もきていた。確実にフェンスが近くなると思っていた。飛ばなかったら突っかかっていたかもしれないので、飛ぶという選択肢を取りました」

グラブを出す位置が数センチズレれば、フェンス直撃でピンチが拡大していた中、貴重な1アウトで島本を救うビッグプレー。打撃は4打数無安打に終わっていただけに「今日は打撃で全然貢献できなかった。守備の時は打撃のことは考えないようにと思っていた。切り替えられて良かった」とホッと胸をなで下ろした。

さらに2死満塁では中堅近本が堅守を決め、虎党の悲鳴を大歓声に変えた。サンタナのライナーが中堅左に飛ぶと、やや右翼寄りだった守備位置から俊足を飛ばして落下地点へ。半身のまま包み込むように捕球すると、丁寧にスライディングで落球を防いだ。

「そんなに回転はかかっていなかった。全然イージーです。気持ちだけで、グラブも落とさないようにと思って抱きかかえました」

連続試合安打は15で止まったが、ノーヒットを補って余りある守備力はこの日も健在。外野のドラフト1位コンビが、よりチームの士気を高めたのことは間違いない。【佐井陽介】

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