首位阪神が小休止だ。2位広島に完敗し、8カードぶりの負け越し。7月16日の中日戦以来、約1カ月ぶりで今季12度目となるゼロ封負けを喫した。34分間の雨天中断を挟み、左腕床田に完封勝利を献上。7回2死満塁で2戦連続スタメン落ちの佐藤輝明内野手(24)を代打に送る勝負手も実らなかった。適時失策、適時捕逸も出た一戦に敗れ、前夜点灯させたマジック29を減らせず。それでも2位広島とのゲーム差は7。岡田彰布監督(65)は「ちょっと負けたぐらいで…」と余裕の表情だ。

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阪神は優勝マジック点灯から一夜明け、完敗で波に乗ることはできなかった。

6点を追う9回2死。小野寺が三ゴロに倒れ、マツダスタジアムは床田の完封勝利に向けた歓喜に包まれた。7月15日からの中日3連戦以来の負け越しで、09年以来14年ぶりの7カード連続勝ち越しとならず。同16日以来約1カ月ぶり、今季12度目の完封負けを喫した。勝てば2位広島に9ゲーム差だったが、引導を渡すことはできなかった。

難敵床田を前に、打線が丸め込まれた。6回までは三塁を踏むことができず。7回は1死満塁のチャンスをつくるも、代打原口の二塁ベース右への強いライナーを二塁手菊池がダイビングキャッチ。指揮官は「菊池のプレーでなあ、流れ変わったんよなあ」と苦笑いで振り返った。

勝負どころでは大砲の可能性にも懸けた。7回2死満塁、木浪の代打に佐藤輝を送った。2試合ぶりの出場。結果は初球、甘い高めの直球をたたいての左飛だった。指揮官は背番号8の起用について「そら1発打ったらお前、展開違うやん。ホームラン打てるやついかなしゃーないやんか」と語気を強めた。明日以降の出番については「いや、そんなんわからへん」と話すにとどめた。

守乱が響いた。2点ビハインドの4回1死一、二塁では菊池の三ゴロに対して、佐藤輝に代わって2試合連続で慣れない三塁で出場した小野寺が痛恨の適時失策。この回一挙3失点のきっかけを作ってしまった。6回2死満塁では馬場の真ん中やや低めの直球ストライクボールを捕手坂本が後ろにそらし、捕逸でさらに1点を失った。

指揮官は雨脚が強くなった4回になかなか試合が中断としなかったことに「どっちみちやるんやから、はよ止めたらいいのになあ。もっとはよ中断したらいいのに。こっちから何回も言うてんのに、お前」と苦言も呈した。

試合後の囲み取材では質問の間が空いた報道陣に「ちょっと負けたぐらいで何を沈黙してんねん。お前らほんまに」とニヤリ。広島、横浜と屋外6連戦が始まる前に「3勝3敗で御の字よ。1(勝)2(敗)、1(勝)2(敗)でもええやんと思ってるけど」と話していた指揮官、想定通りの結果に焦りはないはずだ。18日からは横浜に乗り込み、1つずつマジックを減らしにかかる。【古財稜明】

 

▽阪神小野寺(2試合連続で三塁スタメン。4回に適時失策)「出ている以上は戦力なので、任されたところをしっかりしないといけない。(7回には右前打を放ち)打つ方もそうですけど、出ている以上は結果を出さないと出続けられないので、なんとか練習して結果を出せるようにしたい」

▽阪神坂本(6回に捕逸で得点を許す)「僕の技術不足。しっかり捕ってあげないとピッチャーにも申し訳ない。ああいう展開でああいう風になるとチームの士気も下がるので、今日は僕のせいで負けたのかなと思う。申し訳ない」

 

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