頼れる男が帰ってきた! 楽天島内宏明外野手が代打でチームを救った。

1点を追う8回2死三塁で登場。名前がコールされると、声援が一段と大きくなった。「なかなか期待に応えられることは少ないんですけど、今日は届いた」。カウント1-1から、ペルドモの外角145キロチェンジアップを左翼線へ運んだ。同点の適時二塁打。ベンチへ向け、少し日焼けした左腕を上げた。

不動の4番として、21年は打点王、昨季は最多安打とベストナインを獲得。しかし今季は不振にあえいだ。7月6日に出場選手登録抹消。ファームで積極的に声をかけてくれたのは、西村2軍内野守備走塁コーチや、牧田育成外野守備走塁コーチだった。入団当時の先輩選手たち。遠慮なく助言をしてくれた。「すごく久々に気をつかわない人と触れあった。今まで気をつかわれていたので、新鮮でした」と初心を思い出しながら、一から体力強化。内野ノックも受け、がむしゃらにボールを追った。

11日に1軍に復帰し、直近は4試合連続安打。苦しみ抜いて、ようやく状態が上がってきた。「代打が多くなってくると思うので、なんとか相手に嫌だなと思わせられるように」。再び打線の真ん中に戻れるように、勝利の一打を積み重ねていく。【湯本勝大】

○…ドラフト3位ルーキーの渡辺翔が、リリーフのみで今季5勝目を挙げた。1点を追う8回に3番手として登板。直球とパームを中心に、3者凡退で打ち取った。直後に打線が3得点し、逆転。白星を手にした。前回登板の15日西武戦では、1回2失点ながらも勝利投手に。「前回は申し訳なかったですけど、全力で抑えられて良かったです」と笑顔だった。

▽楽天石井監督(島内について)「人生は苦しいことばかりではない。島内も大きな苦労をした分、戻ってきてくれればいい」