社会人の日産自動車野球部が25年から活動を再開予定であることが4日、分かった。

経営合理化の一環で09年限りで休部となっているが、この日までに活動再開の方針が固まった。同部関係者は「会社の景気も良くなってきて、復活の声が出たと聞いている」と、期待を込めて話した。

新たな活動場所として、神奈川・横須賀にある日産追浜工場の敷地内にグラウンド、室内練習場、選手寮などを約10億円かけて整備する計画だ。選手は、これから1年をかけて集めることになる。アマチュア球界で活動を続けるOBたちの協力も得て、25年に新社会人となる現在の大学3年生を中心にチーム作りを進めることになりそうだ。なお、監督は未定。

日産自動車野球部は59年創部で、都市対抗優勝2回、日本選手権優勝1回を誇る。元阪神の池田親興氏、元オリックスの川越英隆氏、元広島の梵英心氏(現オリックス・コーチ)らプロ野球選手も多く輩出している。活動休止後も同部関係者が「日産」の名の下、地域貢献活動として野球教室を続けてきた。社会人野球を代表する名門の復活を望む声は、OBや関係者だけでなく、ファンからも広く聞かれていた。

日産自動車と同じ時期に休部となった日産自動車九州の野球部も活動を再開する。クラブチーム「苅田ビクトリーズ」として引き継がれたため、チームの実態を備えている。日産自動車よりも早く、24年にも「部」として復活の見通しだ。