DeNAの4番牧秀悟内野手(25)が、チームプレーとタイトル争いを両立させた。1-2で迎えた4回1死三塁。二塁ゴロを打って、三塁走者の桑原を迎え入れた。「まず同点に追いつくことが大前提だったので、何とかああいう形でも点が取れたので良かったんじゃないかなと思います」。3番佐野が右飛で、桑原をタッチアップで三塁に進めた直後だった。「前の打者がつないでくれたので」と先輩に感謝の気持ちも忘れないあたりが、牧らしい。

これで打点を97に伸ばし、2位の岡本和(巨人)に5差をつけた。内野ゴロでの打点は、7月5日ヤクルト戦以来、今季4点目。渋い当たりだが、同点打だけに、この時点のチームにとっては大きかった。三浦監督は「牧の内野ゴロでしっかり得点できた」とほめた。適時打や本塁打ばかりが得点方法ではない。試合前の三浦監督は「最多安打、打点はチームのためになる。タイトルに固執する選手ではないが、今日も4番で頑張ってもらう」と送り出したばかりだった。

再び同点に追い付いた5回1死一塁では、左前打でつないだ。92キロのカーブを捉え「初球の甘い球を打てた」。これが今季153安打目で、デーゲームで並ばれていた中野(阪神)に再び1差をつけて、トップを維持した。

状況に応じた打撃をすることで、チームにも自身にもプラスとなる。「打点もヒットも打つことでチームが勝ちがつくので、それは日々1本ずつ(でも)やっていきたいなと思います」。本塁打数はリーグ3位だが、大振りすることはない。チームは連勝が2で止まったが、まだまだCS争いは続く。「まずクライマックスにいくことが大前提なので、そこで勝つために打点なりヒットなりを打っていきたいと思います」。主軸としての責任感をにじませた。【斎藤直樹】