ただでは終わらなかった。阪神大山悠輔内野手(28)が意地の15号ソロで一矢報いた。2点を勝ち越された10回1死。DeNA守護神森原の内角148キロ直球を強振し、左翼席に運んだ。「1打席も無駄にできない。結果的にホームランになりましたけど、自分の今年1年間やってきたこと、打席に入る前の準備であったり、しっかりできた打席だと思う」。8月19日の同戦(横浜)以来23試合、103打席ぶりの1発。4番の1カ月ぶり弾に岡田監督も「いやいやうまいこと打ったと思うよ、インコースをな」とたたえた。

第1打席では死球で5打席で2出塁。出塁率を4割2厘に上げた。セ・リーグトップだったDeNA宮崎は、この日5打数無安打。16日以来2日ぶりに、2厘差でリーグ1位を奪還し、7年目で初となる最高出塁率のタイトルに前進した。

優勝決定後の消化試合で、この日は近本、木浪、坂本らがスタメン外。それでも、全試合出場を続ける主砲は、この日も「4番一塁」で最後まで出続けた。チームはCSで当たる可能性のあるDeNAに前日完封負けし、この日は内野ゴロの間の1点だけで甲子園5連敗を喫した。そんな中で放った主砲の一撃は、脅威を与えたに違いない。

「クライマックスシリーズという大きな戦いもある。そこまで間が空いて、今しかできないこともある。無駄にしないように1試合1試合、1球1球大事にしてやっていきたい」。この男に消化試合はない。【波部俊之介】

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