1人V3だ! 阪神近本光司外野手(28)が3回に三塁打を放ち、新人から5年間の通算安打数でプロ野球タイ記録を打ち立てた。通算767安打とし、同記録で1位の巨人長野に並んだ。

「まあね、こうやって聞かれるのも、今日と次の1本だと思うんで。自分のやることしっかりやって、頑張りたいと思います」

3年目までの476安打、4年目までの630安打も歴代トップで、これで“3連覇”だ。「1年目は違うんですか? あれはセ・リーグ(記録)か。また6年目、何かできるように」と力強く約束した。

快音を響かせたシチュエーションも最高だった。同点の3回、山崎伊の145キロ直球を左中間へ。美しいライナーが外野芝生にはずんだ。セ・リーグでは60年の巨人長嶋以来、63年ぶりとなるシーズン12本目の三塁打でチャンスメーク。直後、中野の適時打で一時勝ち越しのホームを踏んだ。

「1打席目、スライダーをレフトフライだったので、左中間に(打球が)入っていくイメージがあった。もうちょっと左中間っていうより、センターやなって思ったので」。打席で得た情報を次に生かす。その積み重ねで生きてきた。節目の1本も、反省を糧に生み出した。

巨人岡本和と並んでいた得点も「81」で単独トップに立った。18年ぶりのリーグ優勝を決めてもなお、リードオフマンが頼もしい。【中野椋】

▼近本が通算安打を767とし、プロ1年目から5年目までの安打数で長野久義(巨人)と並んで最多となった。近本は3年目までの476安打、4年目までの630安打もプロ野球トップ。“3連覇”となった。

▼近本は今季12本目の三塁打。球界では、18年上林誠知(ソフトバンク)14以来5年ぶり。セ・リーグでは、60年長嶋茂雄(巨人)12以来63年ぶり8人目、8度目。なお阪神では56年田宮謙次郎12以来67年ぶり4人目、6度目。なおプロ野球最多は、51年金田正泰(阪神)の18。