各球団の1位指名選手が出そろった。国学院大・武内夏暉投手は3球団競合で西武、ENEOS・度会隆輝外野手は3球団競合でDeNA、中大・西舘勇陽投手は2球団競合で巨人、青学大・常広羽也斗投手は2球団競合で広島が交渉権を獲得した。

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「おぉー!」「やったー!」。ドラフト会議ならではの光景が、帰ってきた。19年以来4年ぶりの有観客で行われ、12球団のファン約800人のどよめきが、くじ引きの雰囲気をつくった。

“最強投手世代”として投手の逸材がそろった今年。各球団が即戦力として指名する選手が重複し、1位指名だけで合計7回のくじ引きが行われた。

予想以上に人気が集まったのが、ENEOS・度会隆輝外野手(横浜)。3球団が競合し、公言をした中日ではなくDeNAがくじを引き当てた。

度会を1位指名したロッテは、17年ソフトバンク以来となるくじを3回外した。度会のあとは投手2人のくじを外し、最終的には明大・上田希由翔内野手(愛知産大三河)を指名した。

一本釣りに成功したのは、阪神の青学大・下村海翔投手(九州国際大付)と、オリックスの上田西・横山聖哉内野手の2チームのみだった。

「東都1部6人衆」は全員が1位に名を連ね、レベルの高さを伺わせた。国学院大・武内夏暉投手(八幡南)は最多タイの3球団が競合し、公言していた西武が当たりくじを引いた。青学大・常広羽也斗投手(大分舞鶴)は2球団の競合の末に、真っ先に公言した広島へ。

1位12人のうち、8人が大学生投手。即戦力がそろった大豊作ドラフトの象徴となった。

【アマチュア野球担当=保坂恭子】