国学院大・武内夏暉投手(4年=八幡南)は椅子に座り直し、背筋を伸ばして待った。当たりくじを西武の松井監督が引き当てると、白い歯がこぼれた。真っ先に1位指名を公言していたチームだけに「最初に言ってくれたんで、あるかなって予感はしてました。西武はチームの雰囲気がよさそうだし、先発ピッチャーが豊富。うれしかったです」と笑顔で話した。

1位指名で西武、ソフトバンク、ヤクルトの3球団が競合した。出身は福岡。小学生の頃から10年ぐらいソフトバンクのファンクラブに入っていた。入団したかったのはソフトバンクかと質問されると「はい」と言いかけ、苦笑いしながら口ごもった後に「好きだった球団ですけど、これからは負けないように投げていきたい」と決意を語った。

大学入学後、1年時に足首を痛め、2年時には左太ももをケガした。野球への取り組み方を考え直し、今では練習前の30分間のストレッチを欠かさない。高校時代に83キロだった体重も90キロまで増え、137キロだった球速も153キロまでアップ。か弱かった頃の自分自身と決別し、「和田さん(ソフトバンク)みたいに長くやれる選手になりたい。地道にこつこつと積み重ねるのが大事。即戦力として期待されているので、ローテに入って頑張りたい」と抱負を口にした。好投手がそろった東都大学リーグのNO・1左腕。プロ入り後の準備は、万端に整っている。