広島から2位指名を受けた最速151キロ左腕、大商大・高(たか)太一投手(4年=広陵)は「こんなに高い順位とは思ってなかった。びっくり」と目を丸めた。愛媛出身で現在の実家は広島。「実家も広島で身近な存在。故郷に戻れるのは幸せ。父の影響で幼少期は広島ファンでした」と喜びをかみしめた。

西武から2位指名を受けた同僚の上田大河投手(4年=大商大高)とは同じ練習場で4年間汗を流し、今秋は関西6大学で4季連続優勝を果たした。「身近に(上田が)いることが幸せで、刺激されて成長した。感謝している。対戦する機会があれば絶対に勝ちたいし、越えられるよう必死にやりたい」。プロでは交流戦や日本シリーズでの投げ合いを目標の1つに掲げた。

東大阪市内の同大学で行われた記者会見には、東広島市在住の母真美さんも駆けつけ、晴れ舞台を見守った。「緊張していてもそれを言わない子で。周りに支えられましたね」。試合のたびに来阪した真美さんは、愛息の4年間を振り返った。

高にとって、広島1年目の河野佳は広陵のチームメート。「高校では雲の上の存在。必ず勝ちたい。先発、中継ぎなんでもやります。自分はエリートじゃない。プロでも泥くさく、長年貢献できる選手になりたい」。控えの時期が長かった左腕は実直に意気込みを示した。【中島麗】