ソフトバンク小久保裕紀新監督(52)が28日、みやざきフェニックス・リーグの巨人戦(アイビー)で「2軍戦デビュー」を果たした大野稼頭央投手(19)を絶賛した。

「(大野を)初めて見たんで。あんな投げ方すんの? って。ランナー背負っても、無失点で切り抜ける。マウンドさばき的なものは、何かすごいセンスを感じましたよね」と手放しでたたえた。

出番が訪れたのは3-0の7回。プロ初の2軍登板に「すごく緊張して、がちがちだった」。先頭の萩尾を中飛に打ち取るも、1死から菊田に右前打を浴びた。さらに、2死一、二塁のピンチを背負ったが、最後は増田陸を二ゴロに仕留めた。「自分のボールを投げることだけ意識しました」。無心で左腕を振り、1回を2安打無失点の好投で一仕事を終えた。

奄美大島出身。離島の県立・大島から22年ドラフト4位でホークスに入団した。ルーキーイヤーの今季は3、4軍戦で実戦経験を積んだ。当時2軍監督だった小久保監督は「3、4軍で自分から崩れた試合はほぼほぼない」と好印象を抱いていた。地道に磨き上げたのは最速146キロ直球に、100キロ台の緩いカーブを織り交ぜた緩急だ。大野は「真っすぐとカーブが効いた。3、4軍で積み上げたものが出せたのは良かった」。今後への確かな手応えをつかむマウンド上だった。

新指揮官の目の前で堂々の2軍デビュー登板を飾り、アピールに成功。来季の飛躍へつなげていきたい。【佐藤究】

◆大野稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島・奄美大島の龍郷町出身。大島では1年秋からエースとして活躍し、2年春にはセンバツ出場を果たした。3年夏は鹿児島大会準優勝。計6試合で49イニングを投げ「離島の鉄腕」の異名を持った。175センチ、66キロ。左投げ左打ち。

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