ソフトバンクは6日、巨人アダム・ウォーカー外野手(32)を高橋礼投手(28)、泉圭輔投手(26)との1対2の交換トレードで獲得したことを発表した。手薄な右の大砲を補強したいソフトバンクと、先発と中継ぎ両面で投手補強をしたい巨人で、両球団の思惑が合致した。新生小久保ホークスにとっては補強第1号。ウォーカーの背番号は「28」に決まり、小久保裕紀新監督(52)は「非常に期待できますよね」と胸を躍らせた。

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トレード加入が決まったウォーカーの実力は他球団からの“お墨付き”だった。今季まで2軍監督を務めた小久保新監督が明かす。「フェニックスリーグでいろんな監督と話したけど、イースタンの中では力が抜けていたと聞いている」。今オフ誕生した小久保政権下ではドラフトを除いて補強第1号。投手の秋季キャンプが行われている福岡・筑後市のファーム施設で「非常に期待できますよね」とうなずいた。

ウォーカーは米独立リーグで2年連続MVPを獲得。巨人では在籍2年間で29本塁打を放った強打の右打ち助っ人だ。ソフトバンクは主砲柳田を含め、今季本塁打と打点の2冠を獲得した近藤など左の長距離砲が多く在籍。一方で右の大砲は手薄だっただけに、伸び盛りの高橋礼、泉を放出してまでウォーカーを獲得した。指揮官は「性格もすごく真面目でハングリーさもある」と人柄についても高評価。指揮官が重視するグラウンドでの振る舞いなど「美意識」を持ち合わせた助っ人で、あらゆる面で補強ポイントに合致する。

今季は新加入したアストゥディーヨ、ホーキンスに加え、再加入したデスパイネ、来日2年目だったガルビスが4選手で合計128打数14安打、1本塁打、5打点。打率にして1割0分9厘と野手助っ人の不振に泣いた。その点、ウォーカーは巨人での実績がある。永井智浩編成育成本部長兼スカウト部長(48)は「NPBでの対応は見えている。その中でうちにマッチするんじゃないか」とトレードの狙いを明かした。

今秋ドラフト会議では右打ちで東京6大学通算20本塁打の慶大・広瀬を指名。合わせて今季のFA市場の目玉、西武山川の獲得調査も進行中だ。4年ぶりのリーグ優勝奪回に向けて、ホークスフロント陣がついに動き出した。【只松憲】

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