プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る23年」。第8回はDeNAトレバー・バウアー投手です。

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バウアーが10勝を挙げた。来日1年目に2桁勝利を記録した外国人投手は35人目だが、バウアーの初登板は5月3日広島戦。来日初登板が5月以降では52年ニューベリー(阪急)01年バーグマン(近鉄)02年張誌家(西武)に次いで4人目だった。8月30日阪神戦が最後の登板となり、3、4月と9月以降は投げていない。今季、5~8月だけで10勝以上は山本(オリックス=10勝3敗)とバウアーしかいない。

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短期間で2桁勝利を挙げた要因の1つが登板間隔。日本球界では珍しくなった中4日で先発した。登板間隔は中4日6試合、中5日6試合、中6日3試合、その他4試合で、5~8月の先発数はバウアーの19試合が最も多い。6月14日日本ハム戦と7月6日ヤクルト戦で完投勝利を挙げるなど、メジャー時代に慣れ親しんだ中4日で結果を残した。ケガのため3回で降板の8月30日を除き、中4日でも7回以上投げ、登板間隔別の防御率は中4日の1・84が最も良かった。

前回の先発から中4日以内で先発は今季5人、10度。2度以上はバウアーだけで、白星を挙げたのもバウアーしかいない。中4日の先発は80年の387度から90年108度、00年85度、10年38度と減り、80年は142度あった中4日の先発勝利も10年には15度へ激減。80年に104度の中4日完投勝利は、最近はほとんど見られなくなった。中4日の先発勝利が3度以上は11年バリントン(広島=4度)以来で、中4日の完投勝利を2度は06年の黒田(広島)と福原(阪神)以来だった。わずか4カ月だが、80年代にタイムスリップしたような投球を見せてくれた。【伊藤友一】