日刊スポーツ年末恒例の「言葉の力」の特別編として、23年シーズンで18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を達成した阪神岡田彰布監督(66)編の「古財記者が選ぶベスト10語録」をお届けします。【古財稜明】

 

【第1位】

「選手全員の力を結集して『アレ』に向かってまい進します! シーズンで『アレ』を勝ち取って、1年後、またこの場所で『アレ』の喜びを分かち合いたいと思います」(監督就任直後の22年11月26日のファン感謝デーで、阪神ファンにあいさつ。有言実行を果たし、「アレ」は流行語大賞の年間大賞にも輝いた)

 

【第2位】

「普通にやるだけやんか」(シーズン中に何度も発した常とう句。チームにも浸透し、その言葉によってプレッシャーから解放された選手も。「アレ」に匹敵するパワーワードといえる)

 

【第3位】

「今日で『アレ』は封印して、みんなで『優勝』を分かち合いたいと思います」(リーグ優勝を決めた9月14日の場内インタビューでのひと言。「優勝」の2文字を解禁させた)

 

【第4位】

「ミエちゃん、主役ちゃうよ。成績にちなんだ暴れ方をしてくださいね」(リーグ優勝後のビールかけで、壇上に上がった指揮官が「本日の主役」のタスキをかけてはしゃぐミエセスに放った言葉で、会場をドッと沸かせた。日本シリーズ制覇後には「成績は問いません。今日はみんなが主役」と話し、ストーリー性も感じさせられた)

 

【第5位】

「楽しんで、思い切ってやってこい!」(日本シリーズ第7戦の先発を務める青柳を試合前に監督室に呼び出して送ったエール。今季不振に苦しんだ右腕の緊張をほぐし、5回途中無失点の快投を引き出した)

 

【第6位】

「タッチするのにグーとか、パーが入り乱れているから、阪神はパーにしよう。グーより強いもんな。ハイタッチはパー。これ決めておこう、1年間な」(3月31日のDeNAとの開幕戦に向かう当日の出陣式でナインに呼びかけた。真面目な話からユーモアを交え周囲を和まし、一体感を生み出した)

 

【第7位】

「まあオールマイティやろ。今はスペードのエースやろ、あれ」(8月19日のDeNA戦で2番手桐敷が1回ピシャリ。起用範囲の広さから命名され、2年目左腕の代名詞となった)

 

【第8位】

「ムチを入れんでも逃げるやろ、“逃げ馬”は」(「死のロード」と言われる8月に快進撃をみせ、2位広島に7・5ゲーム差をつけた休日の8月24日の練習後に放った言葉。首位を独走し、趣味の競馬用語を引用して堂々と余裕をみせる姿が印象に残った)

 

【第9位】

「(広島新井監督が)高校野球する言うから、お前。金属バット持ってくるんちゃう? 金属バットはあかんで」(広島新井監督がCSファイナルステージに向け「高校球児のように戦っていきたい」と話したことに応戦し、決戦前日の10月17日に発したコメント。岡田節がさく裂した)

 

【第10位】

「おい、問題児」(先発から中継ぎに配置転換となった西純が5月19日の広島戦で2回1失点を喫し、翌20日の試合前練習で指揮官が右腕を呼び止める際に放たれた言葉。そこには愛情が込められており、右腕に課題克服への助言を送った)

 

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