走攻守3拍子ぞろいでプロ注目の立命大・竹内翔汰外野手(3年=創志学園)が、世界の盗塁王のエールを力に飛躍を期す。

兵庫・芦屋市出身の主将は元日午前1時に甲子園球場隣の素盞嗚(すさのお)神社に毎年恒例の初詣へ。おみくじは「大吉。それしか引く気がしなかった」と喜んでいると、通算2543安打、盗塁数はNPB1位の通算1065盗塁を積み上げた阪急黄金時代レジェンド・福本豊氏(76)の参拝姿が目に入った。

好きなテレビ番組は同氏が党首を務めるサンテレビの「熱血! タイガース党」と口にしていた。現在は京都市内の大学寮で暮らすため、視聴はかなわないというが、小中学生時代は毎年オフの楽しみの1つだった。

参拝後、共通の知人を介し「プロに行くんで見ていて下さい」と自己紹介すると、同じ中堅手だった福本氏は「いい体つきしてるな。楽しみにしとくわ!」と激励してくれたという。

13日、京都市内で練習を行ったチームの目標は5年ぶりの大学選手権出場。「全国に行けばチームも自分の評価もプラスになる。関西にまだいい選手がいると伝えるために、(下馬評を)ひっくり返すつもりで」。

昨春。「自分がもし大谷翔平さんだったら?」と打撃や練習の姿勢を問うようになった。毎日個人で寮内のジムにこもるようになり、人知れず行う極秘トレーニングで肉体改造にも着手。人一倍、汗を流す生活になった。仲間はその様子に「竹内は本気でプロを目指している」と目を丸める。

今季のチームスローガン「圧倒的王者」は自身が命名した。持ち味は、打席で追い込まれた時の対応、広角に打球を外野に運ぶ集中力、確実な送球、50メートル6秒2の快足。全てをかけて学生ラストイヤーに臨む。【中島麗】