大学でも再び日本一を目指す。東京6大学野球リーグの慶大は9日、横浜市内のグラウンドで4月入部予定の新入生の練習を公開し、昨夏の甲子園を制した慶応(神奈川)の大村昊澄内野手(3年)が取材に対応をした。「春秋、ともに日本一になるのが目標です」と、力強く宣言した。

慶応で主将を務めていた大村には目指す選手がいる。慶大でキャプテンを務めていたOBのトヨタ自動車・福井章吾捕手だ。「まずは福井さんの後輩になれたこと。同じユニホームで同じグラウンドに立てたことがうれしい」と目を輝かせたが、すでに4年間の目標は「福井」を基準に構えている。「福井さんは春日本一も秋は(神宮大会で)準優勝だった。自分はそこを超える」。もちろん、やるからには同じキャプテンとしてだ。「福井さんを超えるには、同じキャプテンという立場に並ばないといけないと思っているので」。その自信はもちろん、胸に秘めている。「自分自身、ずっとキャプテンをやってきて、そのこだわり、自分がチームを引っ張って日本一に導ける自信もあるので。自分の培ってきたものをキャプテンという立場で生かせたら」と、次は神宮球場で優勝旗を手にする青写真を描いた。

1からのスタートだ。「いい意味で、高校の実績は忘れないといけないと感じているんです」。甲子園で果たした107年ぶりの日本一は輝かしいもの。しかし、そのプライドにいつまでもしがみついていては、前に進めない。「そのプライドが邪魔をして成長できないこともある。初心に返り1番自分が下手だという思いをもってやっていこうと思っています」と、初々しい笑顔を見せた。

1から始める大学野球。高校野球の頂点を極めた大村が、大学野球で慶大の歴史を塗り替える。【保坂淑子】