米スタンフォード大に進学が決まった花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)が1日、花巻市内で卒業式に出席。「寂しい気持ちもありましたが、ここでやってきたことを誇りに思っている。卒業式は見られる場で、自分がどういう姿であるべきか。そういう部分でも堂々とするべきだと思った」。卒業生入場では、胸を張り、堂々と会場に入場した。

高校歴代最多の通算140本塁打を記録し、昨夏の甲子園では10年ぶりの8強入りも果たした。この3年間を振り返り、「とにかく失敗の連続だった。失敗を繰り返し、それに対し変えていくために、向き合ってきた。その時間は、3年間で1番の思い出です」と、話した。何度も打撃で壁に当たりながらも、試行錯誤を繰り返しながらも、大記録を打ちたてた日々を懐かしそうに振り返った。

卒業に際し、父・佐々木洋監督(48)の言葉が頭に浮かんだ。「父には前から『ここで終わるわけではない。あくまで通過点。ここからが大事』と言われている。次を見ています」と、前を向いた。4月からは渡米予定。スタンフォード大進学という、厳しい道を選び挑戦する。「これからの大学生活、つらいこと、苦しいこと、楽しいこと。いろいろ経験すると思うんですが、覚悟の気持ちをもって、失敗をしながら学んでいきたいです」。高校時代に経験した、失敗から学ぶ精神を胸に、巣立っていく。「感謝の気持ちをわすれずに自分自身の生き方を、国を渡って表現していきたい」と話し、再び堂々と胸を張った。

卒業式では学校の発展に寄与した、として「特別賞」も受賞した。