広島岡田明丈投手(30)が20年3月13日ソフトバンク戦以来、4年ぶりに1軍マウンドに上がった。右翼席の広島ファンから「頑張れ、頑張れ、岡田!」の大合唱を背に5回、3番手として登板。初球から148キロを計測した直球は、最速の151キロを計測した。先頭外崎に中前打を許すと、捕逸で得点圏に進め、アギラーに中前適時打を浴びて失点した。それでも1死一、二塁のピンチは無失点に切り抜け、1回3安打1失点(自責0)で久しぶりの1軍登板を終えた。

「アドレナリンみたいなものは出ましたが、地に足が付かないといったようなことはなかった。先頭打者を出してしまったけれど、最少失点で抑えることができた。そこが昨年との違い。こうした投球を続けていきたい」

岡田は17年に12勝を挙げ、リーグ連覇に貢献した。だが、19年は3試合の登板に終わり、20年は1軍登板なし。21年秋にトミージョン手術を行い、昨オフに育成選手として契約。背番号は17から123に変わった。開幕直前に1軍に呼んだ新井監督は「彼にとって育成選手となって初めてのシーズン。2軍から推薦もあったし、こちらも見てみたかった。見てるよという(メッセージ)もある」と説明した。

直球は140キロ後半をコンスタントにたたき出し、立ち上がりに定まらなかった変化球も徐々に決まった。1点は許したが、久しぶりの1軍マウンドで岡田らしさを出した。「(古傷を気にせず)腕が振れるのが大きい。失点したし、3安打を打たれたけれど、それも含めて収穫です」。そう振り返った右腕の投球に、新井監督も「、自分が想像しているより、はるかにいい球を投げてくれていたので、本当に楽しみがまた増えました」と喜んだ。【前原淳】

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