オイシックス新潟が待望の本拠地初勝利を挙げた。DeNAに2-1の逃げ切り勝ち。BCリーグ信濃から加入した牧野憲伸投手(24)が、今季2度目の先発マウンドで7回4安打無四球無失点の快投。2試合連続クオリティースタート(QS=先発6回以上、自責3以内)も達成するなど、先発3本柱の一角を担う左腕が期待に応えた。

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穏やかな牧野が初のお立ち台ではじけた。記念すべきチームのホーム初勝利と自身の今季初勝利に「めちゃくちゃうれしいでーす!」と声高らかにファンにとびっきりの笑顔を見せた。

マウンド上ではいつもの冷静な牧野だった。2-0の5回2死一、三塁と長打が出れば同点の場面。「もう高さだけ。なるべく浮かないようにっていうのを考えていた」とDeNAの8番粟飯原を緩い変化球で追い込み、最後は決め球のチェンジアップで中飛に打ち取った。「何がなんでも(点は)取られたくなかった」。この試合最大のピンチを切り抜け、グラブを2度たたいて喜んだ。

前回登板の19日西武戦(0-2)に続いてのQS。「全体的に良かった」とチェンジアップのほか、フォークやスライダー、キャンプから練習していたツーシームも織り交ぜながら緩急を自在に操り、DeNA打線に的を絞らせなかった。また、2試合連続で無四球と安定感と制球力も抜群。橋上秀樹監督(58)は「横から見ても高さが非常に良い。チェンジアップの抜けも良かったし、低いところに集まってた」と絶賛した。

NPB入りを目指して、BC信濃からオイシックス新潟への移籍を決断。教育リーグでは大量失点する試合もあったが、開幕までにしっかり調子を合わせてきた。「しっかり1年間ローテを守り切れるように頑張ります」。淡々とした口調と同じように、淡々と結果も残していく。【大島享也】