雨の影響で各球場で試合開始が2~3時間遅れる中、中本牧、千葉市、世田谷西などが8強に進出した。

中本牧は海老名に先制点、勝ち越し点を奪われる苦しい展開。3回裏、河内景虎の右犠飛で同点とした1死二、三塁。2年生でこの大会初先発の大河原遼人が中前にはじき返し2点を勝ち越し。榎本陸のタイムリーで3点差とした。5回にも小林鉄三郎の犠飛で1点を追加して逃げ切った。

村上林吉監督は「大河原のタイムリーが大きかったね」と抜てき起用に応える活躍を喜んだ。大河原は「緊張したし、いい投手ですから、芯に当てることだけ考えました」。幼いころから野球を教えてくれる父親は中本牧のOBで東芝野球部監督の正人氏(40)で、大会前にもスイングチェックを受けた。「外回りにならないよう注意されました。それを気を付けてセンターへ返せました。LINEで報告します」とうれしそうだった。

敗れたものの、海老名は序盤から押し気味に試合を進めた。1回表2死から山崎恋太郎との連打で先制点を挙げた4番・堤琉生は2番手で登板もした。「中本牧には春の関東大会でも対戦の可能性があるので、勝って優勝したい」とリベンジを誓った。

千葉市と浦和は1-1のまま延長戦となり、1死満塁からのタイブレークに。千葉市は高田樹の二塁打などで6点を奪うと、浦和も敵失を絡めて6点を返し、9回にもつれこんだ。千葉市は2死満塁から中澤佳大主将が左中間二塁打を放ち3得点。浦和も守屋建汰の長打で2点を返したが、一塁走者が本塁で憤死。さらに2死三塁から初球に本盗を仕掛けたが、失敗に終わり10-9でゲームセット。

千葉市の中澤主将は「チャンスに打てるよう、シート打撃などで練習してきた。おとなしかったチームが気持ちが入るようになってきた。優勝します」と劇的勝利に胸を張った。この試合で2度本盗を仕掛けた浦和の品田聡一監督は「接戦でしのぎを削る、スポーツ本来の楽しい試合ができました」と勇気を持って本塁を狙った選手の失敗を責めなかった。

武蔵府中と五條は4回から照明に点灯。バスの中で昼寝するなど、待ち時間をリラックスにつとめた武蔵府中は1回表1死一、二塁から松下寛大朗主将が右前にしぶとくはじき返して先制。福冨惺大も続き2点を先制して主導権を握った。6-0の快勝に小川紀輝監督は「他の選手とのつながりを大事にするように伝えています。気持ちが入りすぎる選手たちですが、しっかり周囲が見えているようです」と手応え感じている。松下主将は「自分たちのやりたい野球ができて、結果がついてきたのはうれしい。ベスト8は通過点です」と喜んだ。

▼3回戦

東北楽天 5-2 知多東浦

豊田 5-3 瑞穂

中本牧 6ー2 海老名

北摂 10ー3 草津

豊田 6ー1 静岡裾野

千葉市 10ー9 浦和

世田谷西 11-0蒲郡幸田

大阪福島 8-0 青森山田

武蔵府中 6-0 五條