あれれっ、自慢のドラ1クリーンアップが…。球団初のセ・リーグ連覇を目指す阪神が29日、巨人戦(東京ドーム)で球団6度目の開幕戦完封負けを喫した。開幕戦では球団史上初めてドラフト1位トリオをクリーンアップに並べたが、この日は3人そろって無安打。岡田彰布監督(66)は下半身に不調を抱える4番大山悠輔内野手(29)の状態を気遣い、次戦以降の起用について「ちょっと明日の状態を見な分からへん」と表現した。昨季全試合に4番先発した不動の主砲だけに、状態が心配される。

  ◇  ◇  ◇

勝敗のポイントとなったワンプレーを、岡田監督は淡々と振り返った。「なあ。流れ変わったな、梶谷のところな」。3回1死一、二塁、両軍合わせて初めてつくった得点機で打者は3番森下。巨人戸郷の初球を捉えた打球は右中間への長打になるかと思われたが、右翼梶谷にダイビングキャッチされた。一塁走者の中野が戻れず、ダブルプレーでチャンスはついえた。

5回にリードを広げる2ランを浴びた打者も巨人3番梶谷だった。「結局、梶谷になったからのお。あっこからやったけどな、ホームランが大きかったよな。1点と3点の違いやわな、投げんのも」。両チームの3番が放った打球の行方が試合の展開を左右した。

森下、大山、佐藤輝と並んだクリーンアップ。開幕戦で生え抜きドラフト1位選手が並ぶのは、阪神では史上初の快挙だった。しかし、自慢の主軸がこの日は振るわず。森下は6回にも特大ファウルを放つなど、紙一重の打球もありながら3打数無安打。佐藤輝も2三振を含む4打数無安打。そして、指揮官が頭を悩ませたのが4番大山だった。

「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ。どっしり振れてないもんな。ストレートにな」。初回2死一塁では戸郷を前に3ボールから直球2球を見逃し、最後は147キロ直球で空振り三振。計3三振を喫し4打数無安打と快音は響かなかった。「今日のスイングを見とったら万全じゃないよな。そら、フリーバッティングのボールと違うからのう。まあでも、今日に合わせてたわけやからのう」。大山は下半身の張りでオープン戦の終盤を欠場しており、本来の調子ではなかった。

2戦目以降の起用を問われた指揮官は「ちょっと明日の状態見な分からへんなあ。もう最後もちょっとなあ」と思案した。大山は日本一に輝いた昨季、全試合4番スタメンを達成。次戦は当日の状態を見ての判断となるが、先発を外れる可能性もゼロではなさそうだ。まだ143試合のうちの1試合。球団初のセ・リーグ連覇を目指すシーズンは黒星スタートも、長い戦いはここからだ。ただ、少しばかり不安が募る船出となった。【磯綾乃】

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>