関甲新学生野球の春季リーグは6日に開幕する。新潟医療福祉大の佐藤圭遊撃手(4年)は最後の春で個人タイトル獲得を誓った。

昨秋の主力が抜けたチームは新顔がそろったが、1年秋から正位置を譲らなかった男は、バットを握る手に力が入っている。初戦は6日の松本大戦。自信を持って最終学年の春を迎える。 佐藤の口から飛び出したのは、プラス思考の言葉ばかりだった。「めちゃくちゃポジティブ。常に前を向いてます。野球もメチャクチャ楽しい」。上山小3年から始めた野球で、大きなケガや挫折もない。4番打者を担った昨秋の打率は3割2分1厘。大学最後の春の目標は、まだ手にしたことのないタイトル獲得だ。「首位打者、ベストナインを全力で取りたい。自信はある」と話した。

それだけのことは冬季練習でやってきた。ウエートトレーニングを熱心に積んでパワーアップ。77キロの体重は高校時代より13キロ増えた。「間違いなく打球の速度が上がった。安打の確率も高くなる」と言う。金属バットから木製バットに変わった大学入学当初は、逆方向への打球が伸びなかったが、パワーをつけて解消。従来の持ち味、広角打法がよみがえった。

鵜瀬亮一監督(43)は「まだまだ伸びシロを感じる選手」と佐藤の能力を買って、今春も打の中心の1人として5番に据える意向だ。就職活動などで忙しくなる4年生は春季リーグ終了を機に大半の選手が引退する。しかし、社会人野球志望の佐藤に引退はない。「このチームで優勝したい」と同期の4年生がいる春の爆発を狙っていた。【涌井幹雄】

◆佐藤圭(さとう・けい)2002年(平14)12月10日、新潟市生まれ。北越卒。野球は上山小3年から始め、上山中では県大会優勝。高校では19年秋の県大会V。右投げ、右打ち。174センチ、77キロ。血液型AB。