昨年覇者のヤマハが、ジェイプロジェクトを9-1の7回コールドで下し、連覇に向けて好発進した。今季新加入した桃谷惟吹外野手(22)西村進之介外野手(22)小林寛弥内野手(22)の3人が、初回にそろって適時打。ルーキートリオがチームに勢いをもたらし、大会初戦を快勝した。

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ヤマハの新戦力が、あいさつ代わりの適時打でチームを快勝に導いた。口火を切ったのは5番桃谷外野手だ。先制された1回裏2死一、二塁、真ん中低めのチェンジアップを中前に運んで同点とし、チームに勢いをもたらした。「なんとか食らい付いていった。初戦に勝ててよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。2019年夏の甲子園で履正社(大阪)を全国制覇に導いた巧打者は重圧を物ともせず「良い雰囲気で思い切ってプレーできた。いつも声掛けしてくれる先輩のおかげ」と感謝を口にした。

さらに2死二、三塁で8番西村外野手が左前適時打を放ち「1本出て楽になった。初めて仕事をした感じ」。続く9番小林内野手も左前に2点適時打を放ち「新戦力の競演」を含む、打者一巡の猛攻で初回に5得点。主導権を握ったヤマハがコールド勝ちを収めた。

新人の活躍に引っ張られるように、チームも11安打9得点。昨年12月に就任した申原直樹監督(44)は「良いスタートが切れた。点差以上に試合内容が良く、新人スタメンの3人も自信になったと思う」と、うなずいた。

予選3試合の初戦を飾ったチームは5日、SUBARUと対戦する。予選各ブロックで1位となった4チームが8日の決勝トーナメントに進出。日本選手権(京セラドーム大阪)の出場権(1枠)を懸けて戦う。昨年は、19大会ぶり4度目の頂点に立つと勢いそのまま、都市対抗野球で33年ぶりの決勝進出を果たし、準優勝を果たした。指揮官は「今年も優勝して勢いに乗りたい」と期待を込めた。【山口昌久】