アッパレ! 阪神森下翔太外野手(23)が衝撃の逆転2号2ランを放ち、チームにホーム初勝利を運んだ。1点を追う6回、DeNA浜口のチェンジアップをフルスイング。京セラドーム大阪の左翼5階席に突き刺した。通算12本中9本が肩書付きアーチの「持ってる男」だが、逆転本塁打は自身初。3月31日巨人戦(東京ドーム)では決勝1号3ランでチーム初勝利運んだ若虎。またも大仕事だ。

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どこまで飛ぶんや…。5階席まで届く決勝アーチに虎党の視線がくぎ付けになった。森下はしばらくその場を動かず。本塁打の行方を見守ると、ゆっくりと一塁へ向かった。「手応えあったので、走らなくていいやと(笑い)。その場に立ってました」。ダイヤモンドを1周すると、喜びをかみしめるようにぐっと両拳を握って生還した。

確信弾は1-2の6回だ。先頭の近本が四球で出塁し、2番中野がきっちりと送って1死二塁で打席が回った。DeNA先発、浜口の2球目をファウル。続く1球を見送り、カウント2-1とすると、4球続けてのチェンジアップを完璧にガツン。左腕をマウンドから引きずり下ろした。

「若干(バットの)先気味だったかなと思ったんですけど、結果的に結構飛んでたんで、ホームラン行くだろうと思った」

初回の第1打席は黄色のテープを巻いたバットを使用したが、第2打席以降は黒色のものに変更していた。グリップの厚さが異なる2本を感覚によって持ち替え、2打席連続安打となった。今季2号は自身初の逆転本塁打。まだ5試合目だが、本塁打数はセ・リーグトップタイ、6打点は単独首位だ。これには岡田彰布監督(66)も「効果的なホームランでしたね」と大喜び。3月31日巨人戦でも決勝3ランを放った若虎を「ええとこで打ってる」とたたえた。

思い切りの良さは私生活でも変わらない。22年ドラフト同期の門別、富田とは一緒に服を買いに行く仲だ。森下の服選びは「これいいね、じゃあ、これとこれの色違い」と即断即決。これには富田も「どっちがいい? とかじゃなくて、自分がこれだって思ったものを選ぶタイプですね」と驚く。インスピレーションを感じたらすぐに行動。今オフも相撲部屋への体験入門やピート・ローズモデルの「こん棒型」バットを試すなど、多くのことを取り入れてきた。

プロ2年目は始まったばかり。チームを勝利へ導く思いは強い。「ああいう場面で打てる選手が信頼を得たり、チームを勢いに乗せるバッティングができる選手。そういう場面で打ててることはいいなと思うんですけど、課題もしっかり持ちながらやりたいなと思います」。球団史上初のセ・リーグ連覇へ、背番号1が猛虎打線に火を付ける。【村松万里子】

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