ABC朝日放送が粋な演出で“伝統の一戦”を盛り上げた。

この日は、39年前の1985年(昭60)4月17日に「伝説のバックスクリーン3連発」が生まれた同じ日で、同じ曜日だった。そこで85年入社の中邨雄二氏(62)、伊藤史隆氏(61)の両シニアアナウンサーが実況担当に起用された。

当時の2人は新人として社内研修中だったが、今や“全国区”の名物スポーツアナウンサーとして知られる。ABCラジオを実況した伊藤アナウンサーは現場で「60歳を過ぎても、こういう場に立ち会うことができてありがたいです」としみじみと語った。

「当時はテレビが植草貞夫さん、ラジオが武周雄さんの実況でしたが、後で振り返っても、1本、1本が素晴らしい放送だと思いました。あの年は阪神もまだ試合数が少ないし、乗り切れていなかったですが、あの一戦が起爆剤になりましたね」

またBS朝日の実況を担当した中邨アナウンサーは、ゲスト解説の当時4番打者だった掛布雅之氏と軽妙に語り合った。

「バックスクリーン3連発は翌日のスポーツニュースで知りました。隔世の感がありますね。あの一戦が山本和さん、球道(中西清起氏)のWストッパーが誕生した記念日のようなものでした。そういう、えにし(縁)を感じてもらえるような放送ができればと思います。3連発は難しくても、三者連続ヒットぐらいは見たいですね」

この日の地上波放送は若手の福井治人アナウンサーが実況を担当。それぞれが熱いトークでメモリアルを伝えた。