阪神岡田彰布監督はメモリアル星にも、いつも通りだった。「それはまだね。試合あるんで、それはまあ、あまり関係ないですね」。テレビインタビューで話を振られても冷静だった。

宿敵巨人から甲子園での今季初勝利を挙げ、虎の監督通算勝利数は485勝。恩師でもある吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)が挙げた484勝を超え、単独2位となった。トップ514勝の藤本定義氏まで、残り29勝。ただ、目先の1勝ではなく、まだまだ先を見続けるシーズン序盤だ。一喜一憂はしない。

昨季38年ぶりに日本一となった猛虎だが、ここまで派手さはない。チーム打率は1割台目前の2割2厘で12球団最下位。それでも借金1で3位の位置にいる。この夜もワンチャンスをものにし、3人のリリーフでゼロ封勝ち。「勝つのは一番大きい」と勝利が良薬になると信じる。

「これだけ打てないんでね。今のこの成績にいてるっていうのは、ピッチャー陣の頑張り。僅差のゲームで守りの方も、しのいでしのいでというね。そこを乗り切ればね、もうちょっと楽なゲームができると思いますね」

昨年も3、4月は貯金3でフィニッシュした。勝ち続けていたわけではない。指揮官の節目の1勝から、虎が徐々に浮上していく。【中野椋】

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