一塁を回ると、右手で左胸あたりをたたいた。ポンポンと、リズミカルに。ヤクルト村上宗隆内野手(24)は「俺に任せておけ」と言わんばかりに、ダイヤモンドを回り始めた。

威風堂々と。足取りは軽快だった。バックスクリーンを見つめ、二塁を蹴ると、右手で小さくガッツポーズを決めた。三塁側のベンチ前に戻り、仲間たちと拳を突き合わせると、やっと笑みがこぼれた。

会心の当たりだった。0-0の1回2死一塁。カウント3-1からの5球目だった。中日先発・柳裕也の外寄りの141キロ直球に、バットを素直に出した。引っ張らず、逆方向へ。「逆らわずにうまく打つことが出来ました。先制できて良かったです」と球団を通じてコメント。広いバンテリンドームの左翼スタンドギリギリに運び、14日DeNA戦(横浜)以来の今季2号をマークした。

4番では“24年1発目”となった。開幕54打席目で生まれた今季1号は2番で放ったもの。シーズンが始まり、開幕から11試合で本塁打、打点ゼロが続き、気分転換もかねて、13日から3試合連続で2番に入っていた。前日17日から4番に復帰すると、この日も2試合連続で定位置に座り、主砲としての役割を発揮した。打順については以前に「あまり気にしないですね。いつもと変わらず」と話していた。1発が出ていない時期も「焦りはないですね」とドンと構えていた男が打線のど真ん中に、どっしりと座った。【栗田尚樹】

【動画】ヤクルト村上宗隆、今季2号はバンテリンドームの左翼スタンドに叩き込む!先制2ラン

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