“仲直りの1勝”だ。楽天早川隆久投手(25)が、9回127球、6安打8奪三振1失点で約3年ぶりに完投。9回2死二、三塁、145キロ直球で田村を右飛に打ち取ると、マウンド付近で太田光捕手(27)と抱擁をかわした。早川は「球数も少なくいきましたし、ゲーム前からいいミーティングが光さんとできた。そこも良かったので、テンポ良くいけたのかなと思います」。今季最多12得点での3位浮上を演出した。

一時はバッテリー間に亀裂が入った。前回登板の4月19日西武戦(ベルーナドーム)。太田と組んだ早川は3回までに5失点、4回から相棒が石原に代わると7回まで無失点と復調した。試合後には「自分は要求された球を投げた感じです」と太田のリードに不満を漏らすような発言をしていた。もともと翌週の登板予定がなかったことから登録抹消され、この日が2週間ぶりのマウンドだった。

早川は西武戦翌日を含めて太田に2度謝罪し、自分の考えをすべてぶつけた上で「もう1度組ませてほしい」とお願いし、太田も快く受け入れたという。2人で上がったお立ち台で太田は「僕は捕るだけで、早川が初回からいいボールを投げてくれて、いい結果になりました」と左腕を称賛。「早川の良さを一番分かっているのは僕だと思います」と胸を張った。

楽天は借金を1まで減らし、勝率5割、貯金生活も目前。2勝目(3敗)を挙げた早川は「もっと太田さんと勝ちを積み重ねていけたらと思います」。5月は連勝発進。開幕投手を務めた者としてチームを上昇気流に乗せる。【山田愛斗】

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