絶好調の阪神坂本誠志郎捕手(32)が先制適時打でチームを勢いづけた。0-0で迎えた4回2死二塁から、6番高寺が申告敬遠され一、二塁。カウント1-1から、巨人田中の142キロツーシームをとらえ、先制の左前適時打を放った。
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思わず「なるほど…」とうなずいた。阪神坂本と、こんな話をしたことがあった。日々の積み重ねについて聞くうち、人生についての話になった。坂本はこんなことを言った。
「人生に無駄なものはない、とよく言われるけど、ぼくは『無駄にしない』ことが大事だと思っています。『無駄はない』ではなく『無駄にしない』。いろんな形で生きてくるものですから」。なるほどな…のため息しか出てこなかった。
くちびるをかむしかない失敗。恨み言を言いたくなるような悪い巡り合わせ。とてつもなく不幸に思えるとき「これも無駄じゃない」と将来の経験になることを期待して気持ちを切り替える。だが、坂本はさらに一歩先を行く。「無駄にしない」は、まさにドン底にいる瞬間から、これをプラスに変えてやろうと悪い流れを克服しにかかること。これは意思の力だと思う。
履正社(大阪)、明大で正捕手として活躍し、阪神でもその立場になった。今年は侍ジャパンにも名を連ねた。それでも梅野に加え、伏見の加入もあってチーム内の競争は激化。高橋や才木が先発する日は、ベンチから戦況を見守る。どんなときも経験に替えている。「捕手・坂本」を形作る意思の力が見える。【堀まどか】



