<日本シリーズ:巨人2-3西武>◇第7戦◇9日◇東京ドーム

 最高殊勲選手(MVP)に輝いた西武の岸は、投手陣から2度も祝福の胴上げを受けた。180センチ、68キロの細身の体が高々と宙に舞った。「もう、うれしくて。それだけです」。短い言葉に実感がこもった。

 1勝2敗で迎えた第4戦は切れのある直球と緩い変化球を駆使して的を絞らせず、毎回の10奪三振でシリーズ初登板完封勝利。2勝3敗の第6戦は中2日の間隔で4回途中からマウンドへ。プロ入り初経験の救援登板だったが、縦に大きく割れるカーブで相手を手玉に取り、最後まで反撃を許さなかった。計14回2/3を無失点と完ぺきだった。