右肘手術から再起を期す中日伊藤準規投手(23)が31日、負傷降板した。

 先発したウエスタン・リーグのソフトバンク戦(ナゴヤ球場)の7回、相手の二盗を刺そうとしたドラフト3位桂衣央利捕手(22=大商大)の低い送球が右側頭部付近を直撃。伊藤は血を流してうずくまり、スタンドが騒然とする中、6回2/3で交代した。

 そのまま名古屋市内の病院へ直行。CTなどによる精密検査の結果、頭部に異常がなく、裂傷した右耳の縫合を受けた。右耳に包帯を巻いてナゴヤ球場に戻った伊藤は、しっかりした足取りと口調で「頭にも当たりましたが大丈夫です。この程度ですんでよかった」と軽傷を強調。

 あと数センチ当たりどころが悪ければ、大事故になりかねない状況だったが、鋭い反射神経で被害を少なく食い止めたもようだ。「桂が謝りにきましたが、しっかり避けきれなかった僕が悪い。桂は悪くない」と後輩ルーキーをかばった。「(医師には)明日から練習してもいいと言われています」。1軍先発を目指す6年目は、1日からの練習復帰に意欲を見せた。