<オープン戦:中日1-5ヤクルト>◇23日◇ナゴヤドーム

 中日は23日、ヤクルトとのオープン戦(ナゴヤドーム)に1-5で敗れ、2位でオープン戦全日程を終了した。先発朝倉、2番手中田が打ち込まれるなど課題が残ったが、故障離脱していた森野が左中間二塁打で完全復活を証明。相手の新外国人2投手の実力を確かめるなど、収穫も多かった。落合監督は「まだ何が起こるかわからないだろ」とはぐらかしたが、2位フィニッシュはリーグ制覇した06年と同じパターン。連続日本一は間違いない!?

 後味の悪い黒星にも、落合監督は表情を変えなかった。対セ・リーグ初黒星でオープン戦が終了。10勝6敗1分、勝率6割2分5厘で2位となったが、総括はなし。「まだ何が起こるかわからないだろ」とだけ話した。

 スッキリしない試合だった。先発朝倉、中田が相次いでつかまり、打線は初対戦となる先発リオスに歯が立たない。140キロ代中盤のストレートと変化球のコンビネーションにひねられ、5回2安打無失点と沈黙。6回に李の右前タイムリーでようやく1点を返したが、失った主導権は取り戻せなかった。

 それでも、収穫は多かった。抑え込まれたとはいえ、レギュラー陣がリオスの球筋を打席で見られた。4番手登板した右横手の林昌勇も初対戦。最速152キロに達した直球の威力を目の当たりにした。高代野手総合チーフコーチは「2人とも侮れないピッチャー。1回当たったのは大きい。どんなものかわかったから」と対策への手応えを口にした。

 7回からは8年目の中里が緊急登板し、打者2人を料理した。これでオープン戦7試合無失点。初の開幕ベンチ入りを確実にし「いつ投げろと言われてもいいように準備しています」と話した。9回には左手甲骨折から復帰3戦目の森野が、林から左中間二塁打を放った。「(ブランクの影響で)ボールが見えないかなと思ったけど、自分のスイングができている」と、自ら完全復活を宣言した。

 連続日本一を目指す落合竜にとって、オープン戦2位フィニッシュは吉兆でもある。リーグ優勝した06年も2位で、首位は今年同様に西武だった。今年のチーム防御率は12球団ダントツの2・03。打率は9位の2割3分。「投高打低」の傾向が顕著だが、見方を変えれば、バランスが整わない中で試合を拾ってきたとも言える。チームは明日25日から開幕に向けた最終調整に入る。【村野

 森】