<オープン戦:中日1-5ヤクルト>◇23日◇ナゴヤドーム

 中日岩瀬仁紀投手(33)は、新球ツーシームによる「K締め」でオープン戦を終えた。最終回に登場して3人でぴしゃり。最後の打者・田中浩を、沖縄キャンプから取り組んできたウイニングショットで空振り三振に仕留めた。カウント2-1からの外角への133キロ。鉄腕守護神は「(ツーシームで)初めて空振りがとれました、初めてだ」と喜んだ。

 セーブ王奪回に向けた切り札にメドがついた。昨季は43セーブを挙げたが、阪神藤川に3個及ばずに3年連続のタイトルを逃した。課題の1つは左打者を2割3厘に抑えたのに対し、右には2割6分1厘と分が悪かったこと。右打者から空振りを取れるボールの習得をテーマにしていた。オープン戦最終戦でノルマを達成し、2年ぶりのタイトル返り咲きも視野に入ってきた。

 オープン戦は5試合で防御率3・38と数字上はいまひとつだが、内容には満足できる。19日横浜戦ではシーズンを想定して1回 1/3 の「イニングまたぎ」も経験した。新兵器も装備して、準備を着々と整えつつある。「オープン戦とシーズンは全くの別物。仕上がっているように見えても、状態は開幕してからじゃないとわからないよ」と、シーズンを見据えた。