開幕1軍への秘策は落合トレだ!

 広島ドラフト1位の岩本貴裕外野手(22=亜大)が、中日落合監督が現役時代に取り組んだ打撃練習を取り入れた。10日は居残り特打。カーブマシンを体の正面に置き、オープンスタンスで球をさばく。内田打撃統括コーチの勧めで始めた練習の目的は「ひじを内側から出す」。通算2371安打、3冠王を3度獲得した大打者に一歩でも近づくつもりだ。

 全体練習終了後、岩本が沖縄市野球場に隣接する室内練習場に向かった。約30分の居残り特打。カーブマシンを体の正面に置き、オープンスタンスで構える。体の真正面に来る球に意識を集中してさばく。空振りすれば体にあたるため、一瞬も気を抜けない。つきっきりで見守る内田打撃統括コーチの姿があった。

 この練習は、かつて内田コーチが巨人の打撃コーチだった時代に、現役で在籍していた落合が行っていた。目的は「右打者は右ひじを、左打者は左ひじを内側から出すこと」。それによりヘッドが先に出ることを防ぐ。バットが外側から回ると、球をひっかけてしまい内野ゴロが増えるが、ひじを内側から出すことで、ひっかけることがなくなるという。

 内田コーチは「巨人の時、落合が室内でやっていたんだ。彼のひじの使い方。体の柔らかさなどを覚えてくれればと思う。ひじが内から出るとバットが外回りしなくなる」と説明。通算打率3割1分1厘、2371安打、510本塁打、1564打点。3冠王を3度獲得した大打者・落合博満。岩本は「落合さんは広角に打てる。理想の打撃をされていた。この練習で落合さんのひじの使い方を学んで、少しでも近づきたい」と意気込んだ。

 岩本とともに、落合トレで打ち込んだ安部は驚きの表情を浮かべた。「すごくいい練習。バットのヘッドが先にでるとひっかけて二ゴロになる。フリー打撃でも、ひじが内から出るとそれが左中間方向に飛んでいく」。岩本もひじが柔らかく使えているのを体感している。「ひっかけないように、しっかり球をとらえる。今までにやったことのない練習です。続けていきたい」と満足げ。広角打法は岩本の持ち味。さらに磨きをかけて、狙うはもちろん開幕1軍だ。【網

 孝広】

 [2009年2月11日12時12分

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