<ロッテ2-1中日>◇23日◇千葉マリン

 中日が今季3度目のサヨナラ負けで5割復帰を逃した。先発チェン投手(23)が7回6安打無失点と好投したが、打線が湿り、わずか6安打で援護は1点止まり。8回に2番手浅尾が暴投で同点に追いつかれ、9回に4番手小林正が痛恨のサヨナラ打を浴びた。先発投手の奮闘が白星に結びつかず、これで交流戦は2勝2敗。早くチームを立て直さないと、借金完済はさらに遠のく。

 ボールが指を離れた瞬間、小林正はサヨナラ負けを覚悟した。外を攻めきれなかったスライダーを大松にとらえられ、左前にはじき返された。ぼうぜんと捕手の谷繁に視線を送り、うつむいてベンチに向かった。9回1死二、三塁からのサヨナラ打。喜びに沸くロッテナインの、そして敵地千葉マリンの歓声が両耳に突き刺さる。「甘かったですね」。自分への怒りを抑え、言葉をしぼりだした。

 1点リードを8回に追いつかれた。2番手で登板した浅尾がピリッとしない。先頭井口に左中間フェンス直撃の二塁打を浴びるなど2死三塁とされ、代打福浦への初球が暴投となり同点に追いつかれた。ベンチを出た森バッテリーチーフコーチから「勝負だぞ」とハッパをかけられた直後だった。「低めを狙いすぎました。意味のない1球でした」。気持ちが空回りし、逆転負けへのシナリオが動きだした。

 チームの歯車がずれている。先発チェンが7回6安打無失点と粘っても援護できない。大方の予想を裏切って先発したロッテ渡辺俊に翻弄(ほんろう)され、得点は森野のタイムリーによる1点のみ。下手からの120キロ台の真っすぐに詰まらされ、90キロ台のスローカーブに泳がされた。わずか6安打。試合が進むにつれ重い空気はさらに重量を増し、救援陣の手元を狂わせた。8回の守りから途中出場した正捕手谷繁も、もどかしさを隠さない。「浅尾と小林正?

 力が入るのはあたりまえ。あんな場面だもん」と語気を強めた。

 落合監督も穏やかな口調ながら野手陣に奮起をうながした。「サヨナラ負けはサヨナラ負け。いいときにチェンを勝たせてやらないといかん。今のまま投げ続けてくれたらそのうち勝ちはつくんだろうけど、野手もそう借りはつくれんだろう」。交流戦のチーム打率は2割7分1厘とまずまずだが、肝心なところで打てず、落合竜が乗っていけない。【村野

 森】

 [2009年5月24日11時30分

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