<西武8-9ロッテ>◇2日◇西武ドーム

 西武-ロッテ12回戦はパ・リーグ最長の5時間42分の試合となり、延長12回ロッテが9-8で勝った。逆転逆転のシーソーゲームとなったが、大松尚逸外野手(27)が10号3ラン&決勝打を含む4安打5打点と活躍、12回裏1死満塁の土壇場で登板した内竜也投手(23)が、栗山を三振、中島を遊ゴロに切って逃げ切り、プロ初セーブを挙げた。両軍総力を使い果たした試合。喜びと疲労の中、勝ったロッテは4位西武に1差に迫った。

 午後11時42分。5時間42分のパ・リーグ史上最長試合は、最後の最後まで波瀾(はらん)万丈だった。延長12回表に大松、井口の連続適時打で2点を奪い、これで長い戦いにピリオドが打たれたかと思いきや、その裏にまさかの落とし穴が待っていた。11回から5番手で登板した川崎が、12回1死を取った後に突如乱れ、2安打2四球で1点を失う。1点差まで詰め寄られ、なおも1死満塁の絶体絶命のピンチで、チームを救ったのは前夜にリリーフを失敗した内だった。栗山を空振り三振に仕留め、前日打たれた中島は147キロ直球で遊ゴロに打ち取り、ついにゲームセット。苦しんだ末にプロ初セーブを記録すると同時に、チームに価値ある1勝をもたらした。

 初のヒーローインタビューを受けた内は「1球1球悔いのないように大事に投げた。今まで投げた試合は全部良くなかったので、チームに貢献できて良かったです」と初々しく話した。バレンタイン監督は「内の投入が遅れたが、試合を盛り上げるためには良かったんじゃないか」とジョークも交えつつ、「チーム全員が全力でガッツを持って戦った結果。全員の勝利です」とナインをたたえた。

 ベンチ入りした野手16人全員を使い切る壮絶な死闘をものにした。西岡が6号先制2ランを含む4安打3打点をマークすれば、大松は逆転10号3ラン&決勝打を含む4安打5打点で、強力に援護し続けた。試合後すぐにマッサージを受けた大松は「長かった。体の張りもすごい。これで負けていたら大変なことになっていたと思う」と、自らの一振りで疲労が和らいだようだ。

 7月に入って最初のカードで、2度の延長戦をものにして2勝1敗と勝ち越した。4位西武とのゲーム差も1に縮めて、ようやく追撃態勢に入った。【鳥谷越直子】

 [2009年7月3日8時22分

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