中日の守護神、岩瀬仁紀投手(34)がクライマックスシリーズ(CS)をぶっつけ本番で臨む可能性が出てきた。6日、ナゴヤ球場の屋内練習場で行われた練習に参加。9月19日の横浜戦(ナゴヤドーム)以来、実戦マウンドから遠ざかっている左腕は「CSに投げられなかったら意味がない」と11日ヤクルトとのシーズン最終戦(神宮)に登板しない可能性も示唆した。

 実戦感覚が失われる不安に打ち勝ち、まずは肉体に蓄積された疲労を取り除くことに専念する。ナゴヤ球場の室内練習場から出てきた岩瀬の考えは明確だった。「11日(ヤクルト戦)に合わせるんじゃなくて、CSのために頑張っていきたい。とにかくCSに投げられなかったら意味がない。また失敗するわけにはいかないんで」。

 最後の実戦は9月19日横浜戦の1/3回。17日から始まるCS第1ステージまで登板しないとなると、約1カ月間も実戦のマウンドから遠ざかる。それでも経験豊富な左腕はぶっつけ本番でCSに臨む覚悟を決めた。

 当初予定されていた復帰プランが狂った。9月23日の巨人戦前の練習を最後に全体練習に参加せず、8日ぶりに復帰したのが今月1日。本来なら3日横浜戦、4日阪神戦のいずれかに登板し、実戦テストするはずだった。しかし、調整が思うように進まず、チームにも帯同できなかった。むろん岩瀬は3、4日の登板を計算していたが「しょうがない。何とか安定して投げられるようにしないと。慌ててもしょうがないので」と切り替えを強調した。

 この日はランニングやキャッチボール、ノックなど約2時間の練習で汗を流した。吉見、チェンら先発投手陣に交じりメニューを消化。練習の合間には森バッテリーチーフコーチと約10分間話し込んだ。内容については明かさなかったが、今後の復帰プランを2人で練り直したと見られる。

 意地でもCSのマウンドに上がるつもりだ。岩瀬は「CSまで状態を上げていきたい。体調さえしっかりしていれば大丈夫。いざとなったら今までの経験が助けてくれるでしょう」と自信を見せた。過去8試合のCSは10回無失点、7セーブを挙げ防御率は0・00。幾度も修羅場をくぐり抜けてきた守護神は自らの底力を信じる。【桝井聡】

 [2009年10月7日10時16分

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