1番センターを競い合え!

 阪神真弓明信監督(56)が14日、ポスト赤星争いのゴングを鳴らした。この日、大阪市内で行われたドラフト5位藤川俊介外野手(22=近大)の入団会見に出席。既に獲得決定した新外国人マット・マートン外野手(28=ロッキーズ)を「1番、2番タイプ」と分析した指揮官は、ポスト赤星の筆頭としながらも「(判断は)見てから」と白紙を強調。若手の台頭を期待した。

 小さな赤星の抜けた穴は、とてつもなく大きい。真弓監督はあらためて「今いる選手で1番タイプはいない。当てはまる選手をつくっていかないと」と、赤星に代わる存在が白紙であると語った。プロ9年で381盗塁、何度もピンチを救った守備…赤星の代役はそう簡単に見あたらない。

 もちろん、新外国人のマートンへの期待は大きい。マートンは今季、メジャー出場は29試合にとどまったが、3Aでは97試合出場で打率3割2分4厘、12本塁打、79打点を記録。29試合連続試合安打も記録するなど、広角でシュアな打撃が身上だ。真弓監督は「できれば1、2番と考えている。下位を打つ選手はいるからね」と話し、猛虎打線の新たなけん引役としてのビジョンを持つ。

 マートンの守備についても「(来春キャンプで)見てみないと、やってみないと分からないけど、でも守備もOKと報告を受けている」といい、好守好打の新助っ人をポスト赤星の「1番中堅」最有力候補と位置づけた。

 ただし、当確ランプはつけていない。「補強はどういう活躍をしてくれるかというのを見越してやっているものだけど(マートンが期待通りに活躍しても)若い選手にも出てきてもらいたい」。赤星引退のピンチこそチャンスととらえ、マートンを脅かす若手の成長を強く求めた。

 今季、9月13日の赤星離脱後は、平野、浅井、育成枠から昇格した野原祐らに1番や中堅を任せた。それぞれに長短があり、オフは課題に取り組んでいる。

 若手から中堅まで、候補は多く、左右、タイプ別に見ても幅広い。

 真弓監督は「開幕前に全部決めるわけじゃない。早い段階で固定、決める必要もない」とし、キャンプからオープン戦、シーズンに入っても、ポスト赤星争い継続させる方針。しのぎを削る中でレベルアップをはかり、赤星の穴を埋める考えだ。

 [2009年12月15日11時55分

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