優勝するぜよ!

 阪神藤川球児投手(29)が6日、故郷高知県の尾崎正直知事(42)から「高知県観光特使」に任命され、大阪市内のホテルで委嘱式に臨んだ。藤川は寅(とら)年の平成22年である今季に向けて「トラの(背番号)22番は僕しかいない。いっぱい投げるぜよ」とお国の言葉で決意表明。自己記録の80試合登板を視野に、苦楽をともにした現在のメンバーで優勝することを誓った。

 藤川が言った。「みんなでやるぜよ」。維新回天に尽力した故郷の英雄・坂本龍馬ばりに、お国言葉で決意を表明した。「今年にかける意気込みは強い。選手は入れ替わっていくから、今のベテランがいるうちにどうしても勝ちたい」。世代交代はプロの宿命だ。ただ03年、05年の優勝そして08年の歴史的V逸。このオフには赤星、今岡、ウィリアムスが退団した。金本、矢野、下柳、桧山…。歓喜も無念も味わった仲間たちともう1度美酒に酔いたい。

 藤川は言った。「いっぱい投げるぜよ」。昨季はチームが4位に沈んだ影響もあって、守護神の出番は少なく49試合登板。「1回でも多く投げて勝利に貢献したい。勝ちに執着していきたい」。目安になるのは05年にマークした自己最多の80試合登板。スーパー球児として優勝に導いた鉄腕の再現を約束した。「体がもたんかなあ。でもそうなれば勝てるチャンスは増えるし、優勝に近くなると思う。それに対応する気力、体力は年とともに充実している」。7月に30歳になるクローザーはフル回転を誓った。

 ゲンもいい。今季は寅(とら)年で平成22年を迎える。「トラで22番は僕だけでしょ。背番号を変えなくてよかった。一生に1回ですから。本当に僕の年がきたらどうしようと淡い期待を持っています」。年末年始は故郷・高知で自主トレを行った。高知商時代に走った鏡川沿いのランニングコースを走って自分が歩んできた道を振り返った。最近2年は米国で新年を迎えていたが「やっぱり落ち着く。ハンバーガーよりも魚料理がよかった。今までの中で一番いい充電期間になりました」と振り返った。

 この日は高知県と阪急阪神グループが共同で行う「龍馬のふるさと高知キャンペーン」のキャラクターとしてお披露目式。同時に高知県から「観光特使」を任された。「感動しています。野球をやっていてよかった。人間性も磨いて、特使に恥じない人生を送りたい」と表情を引き締めた。

 今後は近日中にキャンプ地沖縄に先乗り。春季1次キャンプも含めて約1カ月間、温暖な沖縄で体を動かす。「体は絞れている段階。高知に入って寒さに慣れれば、本格的にいく」と見通しを示した。最後は「さよならぜよ」と笑って会場を後にした。

 [2010年1月7日11時41分

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