広島岩本貴裕外野手(23)が結婚することが6日、明らかになった。お相手は会社員の正木佑香さん(23=広島市在住の会社員、正木隆昭さんの長女)。2人は広島商の同級生で、高校時代から交際を始め、7年間の愛を実らせた。プロ1年目は不完全燃焼だったが、今季は外野の一角を狙う立場。新婦のためにも、レギュラー取りを目指す。

 粉雪の舞う寒空を吹き飛ばす、アツアツのカップルが誕生した。この日、岩本は正木さんと広島市内の球団事務所を訪れ、松田オーナーに結婚を報告。戦いの舞台であるマツダスタジアムにも足を運び、夫として短い言葉に意思を込めた。

 「頑張らないといけないですね。もう自分だけのことじゃない」。出会いは7年前の冬だ。広島商1年だった岩本のハートを射止めたのが同級生の正木さんだった。青春の高校時代をともにすごし、岩本が甲子園に出場した際にはスタンドで声をからして応援した。野球でレベルアップを図るべく亜大に進学後も、東京と広島で遠距離恋愛を継続。携帯電話でのメールを日々重ねて、思いを温めた。

 まさに「ナチュラル愛」だ。プロポーズの時期を問われても互いに口ごもる。岩本が「面白いですし、いいキャラクターです。プロポーズ?

 …、いつだろ?

 7、8年も一緒にいますからね」と話すように、厳しいプロの世界に飛び込んだ背番号10にとって、かけがえのない存在だった。自然とひかれ合い、生涯連れ添う覚悟を固めた。岩本はすでに広島市内で1人暮らしを始めており、春季キャンプ終了後から同居を開始する予定。正木さんも今後、料理教室に通い、栄養面でも夫を支える。挙式は今季終了後に行う予定だ。

 真価の問われる2年目になる。即戦力として期待された昨季は14試合出場にとどまり、打率も1割5分2厘と低迷。「プロの壁」にぶち当たったルーキーイヤーだった。正木さんは「野球のグチを聞いたことがない。1年間見てきて、来年はさらに飛躍してもらいたい」と期待を寄せる。新婦の思いに応えるためにも、今オフは主力の東出と合同自主トレを行うなど、体を鍛え抜く日々を過ごす。

 「(周囲からも)早く結婚したほうがいいよと言われていましたから。とにかく試合に出たいですね」

 最高の伴侶を得て、身を固めた。守るべき家族ができ、岩本も心機一転だ。天谷や赤松ら、ライバルひしめく外野のポジションを狙うべく、ひたすら白球を追う。

 [2010年1月7日11時46分

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