嵐を起こせ!

 阪神真弓明信監督(56)が「ノムさん」以来の大改革に打って出る。合同コーチ会議が21日、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で行われ、春季キャンプの1、2軍メンバーが発表された。新人コンビの二神一人投手(22=法大)&藤原正典投手(22=立命大)に加え、2年目の蕭一傑投手(24)と西村憲投手(23)も沖縄切符をゲット。プロ1、2年目の投手が4人も1軍に帯同するのは、野村監督が指揮を執った00年以来。フレッシュな顔ぶれを投入し、指揮官は投手陣のサバイバルキャンプを予告した。

 真弓監督が「ノムさん」以来となる大胆な投手再建に着手する。この日開かれた合同コーチ会議で春季キャンプの1、2軍メンバーが振り分けられた。その中で目を引いたのが、新顔の存在だ。即戦力ルーキーの二神&藤原、2年目の蕭と西村といった飛躍が期待される4投手が初めて1軍キャンプに帯同する。

 「(先発争いは)激しくなるだろう。レベルを上げていってもらいたい」。新鮮な投手を沖縄に連れて行くことで、開幕ローテーション争いは確実に激しさを増す。指揮官が猛烈なサバイバルキャンプの土壌を作った。

 プロ1、2年目の投手が4人も1軍切符をつかむのは、00年にまでさかのぼる。新人2投手が抜てきされるのも、01年の藤田太陽(現西武)と伊達昌司以来9年ぶり。いずれも野村監督が最下位からの大改革に着手した時以来。真弓監督の改革への本気度がヒシヒシと伝わってくる。

 4投手の抜てきは、単なる話題作りではない。訪れた鳴尾浜球場で、二神と藤原の投球を初めて生チェック。「非常に手の振りがいい。1軍でもついていけると思った。準備ができている。キャンプでじっくりと見させてもらう」。左右の両輪を食い入るように見つめ、大きくうなずいた。蕭に関しても「去年はファームがほとんどだったが、一番安定した力を見せてくれている。1軍でやってくれないかな」と期待の言葉が出た。

 既存戦力だったウィリアムス、アッチソンが退団。フォッサム、メッセンジャーの新助っ投を、この4人衆に加えれば、実に20投手中6人が初の沖縄キャンプ。11~13人ほどの開幕投手枠の勢力図が大きく塗り替わる可能性すら秘めた、新顔がズラリと並んだ。

 今回は1軍戦力に食い込んでくると見られた鶴や石川、阿部らが安芸スタート。これも競争意識を促す狙いがある。久保投手コーチは「グループ別に下で争わせたい。ベテランでも肩の出来具合が悪いとなれば、替えさせてもらうことになる」と言う。年齢や実績を問わず、完全実力主義で1、2軍の入れ替えを敢行する考えだ。野手でも上本、柴田、野原将を招集。秋季キャンプでは世代間バトルをあおったが、投手改革を促す真弓監督は大マジ。2月1日、沖縄・宜野座で嵐が起きる。

 [2010年1月22日11時40分

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