5年目の飛躍へ宝刀いただき!

 広島今井啓介投手(22)が6日、キャンプで臨時コーチを務める野茂英雄氏(41)からフォークボールの握り方などを伝授された。ブルペン入りした今井は今キャンプ初めてフォークを投げ込んだ後、同コーチから直接指導を受けた。昨季プロ初勝利を挙げた期待の右腕は、日米通算201勝の大投手の教えを武器に先発ローテ入りを確定させる。野茂氏は11日まで滞在する予定。

 今井にとって濃密な5分間だった。ブルペン投球を終えると、山内投手コーチの声かけで、ボールの握りを示されながら野茂臨時コーチによる個人レッスンが始まった。

 今井

 教えていただいたのは(フォークの)握り方です。フォークは親指の使い方が大事だと。親指をどこに置くかで変化が違うそうです。僕のフォークは抜くイメージでしたが、握りを変えるだけでいいということでした。

 具体的には、今の握りよりも少しだけ親指をひと差し指に近づける握り方を伝授された。それにより、より低めに、よりコントロールしやすくなるという。「あれだけのフォークを投げられていた方ですし、聞くだけでもためになります」と笑顔を見せた。

 野茂氏が臨時コーチに来ると知ったときから、フォークの握りや投げ方を教えてもらいたいと願っていた。だから、野茂コーチの見守るこの日のブルペンでは、これまで投じなかったフォークを解禁。「今のフォークでも十分落ちている」と高い評価ももらい、さらにレベルアップする秘訣(ひけつ)を伝授されたのだ。

 昨季、初めて1軍に昇格し、先発も8度経験し、プロ初勝利も挙げた。5年目の今季は先発ローテ入りが目標。それにはフォークの安定性が必要だ。「落ちないと危ないが、落ちれば勝負球になる。1軍でやるなら必要なんです。これをきっかけに向上できれば」と今井は言う。

 野茂臨時コーチ初日の積極的な動きに、野村監督も「コーチが気づかないことを指摘してもらったり、逆に同じ意見で指導法が間違っていなかったと再確認することもできる」と効果を期待。伝説の右腕から貴重なフォークのノウハウを数多く授けられた今井が、先発ローテを奪いに行く。【高垣

 誠】

 [2010年2月7日11時24分

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