巨人辻内崇伸投手（２２）が「ポスト山口」に名乗りを上げた。７日、宮崎キャンプで投手陣のフリー打撃登板が始まり、加藤、脇谷に５２球。計２６スイングで、安打性は加藤の４本に抑えた。かつてのドラ１左腕は「どんな役割でもいい。１軍戦で投げられるよう頑張りたい」と、５年目の１軍デビューを誓った。

　先発転向の山口に代わり中継ぎ起用が有力だ。「去年に比べると全然いいです」。原監督も見守る中、登板を終えた表情はすがすがしかった。０５年夏の甲子園で１５６キロを計測し注目を浴びたが、プロ入り後に左肩痛。０７年には左ひじの靱帯（じんたい）再建手術を受けた。昨季、３年ぶりに２軍戦に復帰。今キャンプで主力組のＡ班に入ると、かつての制球に苦しむ姿はなかった。この日は２６球を見逃されたが、コースを大きくは外れなかった。脇谷は「球自体は速いし力もある。（ボールに指が）かかったときのアウトローはすごい」と証言した。

　剛腕復活へ、モデルチェンジに踏み切った。「スピードだけ求めたらオーバースローがいい。でも僕の場合、ひじに負担がかかった」。高校時の映像を見直し「ひじの位置は下げずに、高校のころのスリークオーターに近づける」と決断した。オフは、オリックス木佐貫らと米アリゾナで自主トレ。連日３時間以上のウエートを続け、帰国後の１月もほぼ無休で動いた。心中は１つ。「１軍にどれだけいられるか。踏ん張りたいです」と、けなげに前だけ向いた。【古川真弥】

　［2010年2月8日8時59分

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