<中日6-1阪神>◇4日◇ナゴヤドーム
高卒2年目の19歳、中日伊藤準規投手が阪神3回戦に先発し、8回4安打1失点でプロ初勝利を挙げた。今季2試合目の先発で、初回に1点を失ったが、140キロ台前半の直球と、鋭いカーブを織り交ぜて2~7回は無安打に抑えた。新人王の資格を持つ将来のエース候補の活躍で、中日は4連勝とし、今季初めて首位タイに浮上した。
伊藤が、初めてのお立ち台で声を震わせた。「とにかくうれしい気持ちでいっぱいです。守ってくださった先輩方のおかげ。いずれ点を取ってくれると思って必死に投げた。今は何も考えられない」。41歳の阪神下柳との22歳差の投手戦に投げ勝っての勝利。地元ファンの大歓声を浴び、端正な顔をほころばせた。
初回に無死一、三塁から1点を失った。4番金本にも安打を許して1死一、三塁となったが、続く新井と城島を打ち取ってリズムをつかんだ。「球が指にかかり始めて、この球なら大丈夫かなと思った」。直球は140キロ台前半でも力負けせず、大きく曲がるカーブやフォークボールを織り交ぜて、2回以降はゼロ行進。1-1でマウンドを降りた直後、5点が入って初白星が転がり込んだ。
昨季ドラフト2位で入団し、期待された。故障などもあり、クライマックスシリーズを含めても登板は2試合で計2イニング。今春キャンプで森ヘッドコーチからつきっきりでフォームの指導を受け、自力で先発枠をもぎ取った。そして先発2試合目で、チームを首位タイ浮上に導く好投。めったに特定の選手を褒めない落合監督が「よく投げたと思う。最近は8回まで投げた投手はいないだろう」と、珍しく手放しで褒めた。
3月に肺がんで亡くなった祖父實(みのる)さん(享年70)にささげる勝利だった。愛知県内の病院に見舞った2日後の3月4日、亡くなった。何があっても野球を優先する-。そんな家族との約束を守って、伊藤は告別式を欠席し、悲しみをこらえて練習に参加した。實さんは親せきの中で、もっとも熱狂的で、病室には自慢の孫の写真や色紙を飾っていたという。「ウイニングボール?
そうですね。おじいちゃんに見せたい」。伊藤はかみしめるように話した。
「いろんな方にアドバイスをもらってここまで来た。(目標だった)1勝をしたので、これからも勝てるように頑張りたい。まだこれからがあるんで」。将来のエース候補は前を見据えた。【桝井聡】
[2010年4月5日8時57分
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