<広島4-3中日>◇16日◇マツダスタジアム

 落合竜が広島に今季初のサヨナラ負け。この日、巨人は試合がなく、勝てば単独首位浮上のチャンスだったが、逆に2位に転落した。9回、浅尾拓也投手(25)が四球と2つの安打で1死満塁とし、代打前田智に中前打を許して痛恨の敗戦。攻撃陣の空回りが試合の流れを変えてしまった。

 9回表。無死二塁のチャンスで荒木はバントの構えだった。だが初球、低めのボールに一瞬バットを引いた。球審の判定はストライク。荒木のバントを予想して飛び出していた小池は、捕手石原の二塁へのけん制に間に合わず、無念のタッチアウトとなった。

 荒木が「僕が中途半端でした…」と振り返れば、小池は「ストライク?

 じゃないと出ないでしょ」と、顔をしかめた。勝ち越しのチャンスをミスミス逃したことで、流れは一気に広島へ。そして、1度傾いた流れは、ここまで8試合連続無失点の浅尾にも止めることはできなかった。

 落合監督は試合後、穏やかな表情で、こう話した。「結果からすればサヨナラ負け。皆、頑張ってやっているのは分かる。空回りしてるのも分かる。1球1球、局面局面で頭を整理しないと、こんなひどい試合になる」。

 初回には二塁走者の荒木が左飛で飛び出して併殺。6回には無死一、二塁で井端が併殺打に倒れ、7回には2死満塁で、この日3安打のブランコも凡打に終わった。4回に同点に追いつきながら、なかなか勝ち越せず、結局サヨナラ負け。チーム打率は2割7分9厘と好調だが、あと1点が奪えず、悲劇へと導かれた。【福岡吉央】

 [2010年4月17日11時13分

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