<日本ハム3-4オリックス>◇20日◇スカイマーク

 シナリオは、また書き換えられた。日本ハム梨田昌孝監督(57)が描いたストーリーは、ハッピーエンド目前で、あっけなく散った。1点リードの9回、守護神ウルフが大炎上し、今季2度目のサヨナラ負け。「いい形でウルフまでつなげたんだけどね。(中盤は)何とか、しのいでやってきたんだけど…」。悔しさを押し殺すように、ゆっくりと言葉を発した。

 序盤の武田久の不調で決断した「新勝利の方程式」に“計算間違い”が起きた。序盤のビハインドを田中の適時打と、糸井の2ランで逆転。谷元、武田久、建山と細かく継投し、1点のリードを守ったまま最終回を迎えた。ここまでは、“正解”だった。

 だが、ウルフに託した仕上げの段階で、“答え”が狂った。先頭の後藤に中堅右への二塁打を浴びると、ラロッカ、北川に連打を許して、たった13球で同点。T-岡田を歩かせて無死満塁とし、赤田にはあっけなくサヨナラ打を浴びた。アウトカウントのランプは1度もつくことがなかった。ウルフは「高く、甘く入ったところを打たれた。球はいつも通りだった」と振り返ったが、大野のサインに首を振り、痛打されてイライラを募らせる悪循環。厚沢投手コーチは「自己満足で投げている部分がある」と厳しかった。

 抑え転向後、早くも3敗目。だが同コーチは「考えていない」と配置転換を否定した。開幕から9カード連続で初戦を落とし、借金は今季最多の「11」。「今日は(カード初戦に)初めて勝てるかなというところまできたんだけど…」。梨田監督の言葉が、むなしく通路に響いていた。【本間翼】

 [2010年4月21日11時30分

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