<西武8-0中日>◇22日◇西武ドーム

 西武にはナイター14連勝中の岸孝之投手(25)がいれば、昼は帆足和幸投手(30)にお任せだ。8回途中5安打無失点の好投で、6勝目(2敗)を挙げた。ダルビッシュをしのぐリーグトップの防御率は1・46から1・30に。今季先発した10試合すべて週末デーゲームで、安定感抜群の背番号47は「岸の“夜王”に対抗して、昼王(ひるおう)って書いといて。あれ、でも格好良くないな」。しっくりくるネーミングがないか、遊び心たっぷりに考えられたのも、勝者の特権だった。

 最大の持ち味は、右打者の内角に食い込むパームでゴロを打たせること。相手のイメージの上をいく投球を可能にしている理由を「外角球の出し入れができるようになった」と潮崎投手コーチ。内を意識させたうえで、ボールゾーンから外角に決まる制球力をキャンプから磨いてきた成果だ。1年ぶりに対戦した中日打線は、いつも以上にベースが広く感じたに違いない。ゴロが少なく、4連続を含む9三振を奪う内容に「らしくないですね」とこそばゆそうに笑った。

 今季の好調を語るのに、3歳と1歳の愛娘は欠かせない。「家では毎朝早くたたき起こしてくれるので、夜はすぐ眠くなる。早寝早起きがいいんです」。ナイターより子どもと触れ合える時間も増え、癒やしが明日への活力をくれる。お立ち台では「土曜、日曜に岸や涌井を見たいと思うので、そろそろ僕もナイターに変わりたいです」と気遣った。09年は土日のゲームで借金12と大きく負け越しただけに、週末観戦のファンも今年は帆足の安心感に十分満足していることだろう。【柴田猛夫】

 [2010年5月23日8時14分

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