<広島4-2横浜>◇4日◇マツダスタジアム

 「鯉キラー」にリベンジ成功!

 広島は投打の歯車がガッチリかみ合って横浜を下し、連勝を「3」に伸ばした。立役者の1人は先発篠田純平投手(25)だ。序盤から球威のあるストレートを中心に投げ込み、横浜打線を7回2失点に抑えた。6月27日中日戦(ナゴヤドーム)から自身2連勝となり、今季3勝目をマーク。ロッテ時代から0勝5敗だった清水を相手に、ようやく白星を挙げた。

 小気味良い投球のテンポが打線にリズムを呼び込んだ。1点リードした4回。2死から二盗され、打席には4番村田がいた。カウント2-2からの6球目。篠田は無心で左腕を振り抜き、内角に食い込む速球で空を切らせた。

 5回には吉村に不用意な初球ストレートを打たれて同点2ランを浴びたが、打線の援護もあり、7回2失点にまとめた。「粘れたことは良かった。本塁打を狙う打者に本塁打を打たれては…。まとまった内容にはなっていますが」。今季3勝目にも、晴れやかな笑顔はない。それでも、野村監督が「彼本来のいいストレートを投げていた」と評す大きな収穫はあった。

 投球フォームの微修正も安定した内容につながっている。開幕ローテーションに入ったが、すぐに救援に回った。5月28日に2軍降格後は、自らを見つめ直した。「セットポジションではなく、ノーワインドアップにしていますから」と話すように、球に力を伝える工夫を凝らした。投球時にグラブを上下動させてダイナミックな動きを作る。手本にしたのはベテラン高橋のしぐさだ。「あれだけ躍動感があれば、いい球も行く」。球威を取り戻すため、あらゆるところにアンテナを張った。

 角度のある球を追求してきたが、関係者に「お前くらいの身長があるなら、自然と角度のある球が行く」と諭され、肩の荷が下りた。4回の村田の空振り三振など、187センチの長身を生かして、自然体でクロスファイアを投じた。

 チームは今季、横浜清水に3戦全敗するほか、ロッテ時代から1度も勝っていなかった。「天敵」を攻略して、ようやく初勝利。野村監督も「清水には、ずっとやられっ放しだった。これでいいイメージで行けると思う」と胸をなで下ろした。3日に松田オーナーから来季の続投を示唆されたばかり。シーズン後半が始まる今季73試合目を接戦を制する白星で飾った。【酒井俊作】

 [2010年7月5日11時54分

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