<阪神4-7広島>◇21日◇甲子園

 首位ターンはならなかった。それでも阪神は貯金12で巨人に0・5ゲーム差。真弓明信監督(57)の言葉は力強かった。前半戦の総括会見。優勝の手応えを問われると「十分にあります」と言い切った。決して大きなことは言わない慎重な性格だ。だが今のチームにはそれだけ自信がある。「ここまで来たんで、みんなで力を合わせて、後半戦が終わった時に一番上にいたい」。必ず巨人を逆転して優勝する熱い誓いを立てた。

 前半戦の最終戦を落としたものの最後まで抵抗した。4点を追う9回、1死から城島が左前打と広島天谷の後逸で二塁まで進んだ。続く浅井が岸本の外角直球を右方向に力強くはじきかえした。右翼手広瀬の頭を越える適時二塁打を放って1点を返した。「外野が前に出てきていたので、うまく越えてくれました。毎日一生懸命やるだけです」と今季3度目の猛打賞をマークして気を吐いた。後続が倒れて2試合連続の逆転サヨナラ劇はならなかったが、勝利への執念を見せた。

 後半戦へ向けての課題は久保、スタンリッジらに続く先発投手。この日も上園が初回に5安打で3失点するなど3回までに6失点してKOされた。リーグ1位のチーム打率2割7分9厘を誇る打線も、これでは苦しい。真弓監督も「交流戦で余裕がある時は回っていたが、レギュラーシーズンに入ると5、6人目がね…」と漏らした。阪神の2位ターンは過去13度あるが、優勝は2度だけ。3度目にするカギは、先発陣にかかっている。

 [2010年7月22日8時3分

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