<ロッテ6-3楽天>◇15日◇千葉マリン

 ロッテ今江敏晃内野手(26)が豪快に試合を決めた。3-3の延長12回裏、1死一、二塁。楽天小山が投じた3球目だった。146キロ直球を完ぺきにとらえると、乾いた打球音が鳴り響いた。バックスクリーンへプロ初のサヨナラ弾。一塁ベース付近で入ったと確信すると両手でガッツポーズして喜んだ。お立ち台では「いやーもう本当にうれしいです」と今江らしい満面の笑みをみせた。

 負けず嫌いでかつ努力の男だ。8月に入り打率は3割4分5厘、この日も3安打の猛打賞だが「ヒットは出てるけど好調ではない。自分が求めているのは勝負強さなので」と第2、第4打席の好機での凡退を悔しがった。納得いくまで練習も続ける。7月9日の移動日練習(ヤフードーム)でも、主力野手が休みの中、志願の特打で調整。「自分の中で納得がいかなかったからもう1回打つ」と2度打撃練習に入るほど繰り返し打ち続けた。

 守備でも魅せた。12回表2死、三塁側のファウルフライをスライディングキャッチ。攻撃への流れを自ら呼び寄せた。試合後は「プロに入ってもなかなかない会心の感触だった」と力強く話した。元気のなかった打線に、今江が再び勢いを呼び戻した。【斎藤庸裕】

 [2010年8月16日11時54分

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